診療案内

④ストレスがある場合

ぜんそくの治療をしていて、感染症もちくのう症もなく、胃食道逆流症もない場合は、お子さんに何らかのストレスがかかっているのが原因のケースに考えられます。
本人が嫌がっていることがないか確認が必要です。


あるぜんそくの女の子は小学6年生でしたが、ぜんそくが良くならないと言って来院されました。ぜんそくの治療を開始して合併症の確認をしても原因は見当たらず、ぜんそくが良くなりません。
ある時、女の子と私だけで二人で話をしてみました。

するとその女の子はピアノの習い事をしているのがとても嫌だけれども、お母さんに言えないと訴えました。

というわけで、お母さんにその内容を伝え、ピアノの習い事を止めてもらうと途端にぜんそくの症状は消えました。
もちろんぜんそくのお薬も必要なくなりました。年齢の大きな小学生ではストレスに関する治療も必要です。しょう。

⑤アレルギー性鼻炎がある場合

ぜんそくのお子さんにはアレルギー性鼻炎の合併が多くみられます。
お母さん方は「この子は鼻水が出始めるとぜんそくがでるわ」とよく言われます。

ぜんそくのお子さんは鼻炎の症状が先に出て後からぜんそくが出ることが多いのです。
アレルギー性鼻炎がある場合はアレルギー性鼻炎の治療を同時にするとぜんそくがよくなります。

⑥アトピー咳嗽

ぜんそくの症状によく似ていますが、ぜんそくのお薬は全く効きません。

ぜんそくには使用されないアレルギーのお薬が著効します。

⑦お天気

寝不足、お疲れ(お出かけ、旅行、車での長時間の移動)などがあるとぜんそく発作がおきます。


子供も大人と一緒でお疲れは禁物です。移動が長い時にはまめに休憩をとりましょう。無理なスケジュールは避けましょう。

⑧お疲れ

寝不足、お疲れ(お出かけ、旅行、車での長時間の移動)などがあるとぜんそく発作がおきます。


子供も大人と一緒でお疲れは禁物です。移動が長い時にはまめに休憩をとりましょう。無理なスケジュールは避けましょう。

⑨運動

運動するとぜんそくが出るお子さんがいます。

運動誘発性ぜんそくといって、運動すると肺と気管支に負担をかけぜんそく症状が出るものです。
ぜんそくの治療をしていても運動で発作が出る場合は一時的に運動を軽めに制限しないといけないケースがあります。
多くは年長児に見られます。

⑩喫煙

家族の方の喫煙はぜんそくの原因となります。
お子さんの近くと過ごされる部屋での喫煙はさけましょう。

⑪けむり

香水や花火のけむり、線香のけむりも発作をおこすことがあるのでさけましょう。

思春期のニキビ診療とスキンケア

思春期のニキビ診療とスキンケア
神奈川県立こども医療センター皮膚科  馬場 直子先生講演会

①ニキビがあることはQOLが低下します
1)友人からいじめられることがあります。
2)瘢痕を残すことがあります。
3)ケロイドを作ることがあります。

②ニキビは男女とも13才くらいが平均発症年令です
小学生の女の子は60%くらいがニキビができています。

③ニキビは顔の洗い方が大切です
1)顔を洗いすぎるとニキビは悪化しますのでていねいに洗いましょう。特に、ニキビの多い「額」や「頬」はていねいに優しく洗いましょう。
2)固形石鹸を泡立ててそれをネットでさらに泡立ててから「眉間」や「頬」や「口周り」を指を使ってていねいに正しく洗いましょう。
3)ニキビでは、洗顔した後に皮膚に水分を補いたいので、パスタロンローション(0/W型)をぬって保湿しておくことが大切です。

④ニキビの治療
1)洗顔した後に「アダパレン(ディフェリン)」の外用薬をぬるのが良いでしょう。
2)抗菌薬(ダラシンTゲル)の外用薬もぬることも良いでしょう。
3)抗菌薬(ミノマイシン)の内服も効果があります。
4)ニキビでは、ビタミン薬の内服はEBM(医学的根拠)がありませんので推奨はしません。
5)ニキビでは、食事制限は原則としては必要ありません。例えば、チョコレートを食べてもニキビが悪化しないのであればチョコレートは食べても良いのです。
6)ニキビの外用薬をぬった上からUVカットの外用(日焼け止め)をぬっておきますと、ニキビにおけるUVによる毛嚢炎を予防出来ます。また、UVカットの外用はおちにくくなっていますので洗顔時はしっかりと洗いおとすことが大切です。
7)ニキビの悪化因子を防ぎましょう

・睡眠不足
・ストレス
・間食
・食事の不摂正
・汗

早期乳児が有する問題点

新生児や6ヶ月未満に乳児診察時ピットフォール
君津市中央病院 新生児科 大曽根 義輝先生講演会

①消化器症状
 1)哺乳不良、嘔吐で.・・・・
  A>哺乳不良、嘔吐 + 腹満の時には~
    便秘が一番多い傾向にあります。
    この場合は、浣腸をして排便して問題ありません。
    毎日浣腸をして排便させて排便のリズムを作る方が大切ですので浣腸は毎日されても問題はありません。

  B>哺乳不良、嘔吐 + 様々な症状(血便、発熱)
    ミルクアレルギーの可能性があります。
    検査が必要です。

 2)体重増加不良
   A>意外に多いのが母乳不足です。
    1回の母乳の授乳で15分飲んで満足していれば充分足りていますが、15分以上飲んでいる時は足りていないと考えましょう。
   B>養育過誤の場合もあります。これはミルクを薄めて与えている場合です。

 

②感染症
 1)熱発
  新生児期は熟産生能が乏しいので本来は発熱しにくくなっています。
  外環境温の影響を強く受けやすいので「うつ熱」の発熱あります。
 2)早産児では免疫グロブリンの血清ⅠgGが正常児に比べてかなり低下していますので感染症にかかりますと重症化しやすくなります。
  このため、予防接種は月齢に合わせて早目に受けるのが良いでしょう。

 

③乳児と薬剤
 1)抗ヒスタミン剤
  乳児早期では振戦(手足の震え)を起こすことがありますので注意が必要です。
 2)抗けいれん薬(フェノバール)
  ビタミンK不足を起こして頭蓋内出血を起こすことがあるので注意が必要です。

④完全母乳栄養の赤ちゃんで、生後7~8ヶ月に母乳しか飲んでいなくて離乳食を食べていない場合には貧血をおこすことが多いので注意が必要です。

ノロウイルスによる感染性胃腸炎について

ノロウイルスによる感染性胃腸炎について

①ノロウイルスによる感染性胃腸炎とは
・嘔吐、下痢を主症状とし、その結果様々の脱水、電解質喪失症状、全身症状が加わります。1歳以下の乳児は症状の進行が早いのが特徴です。

②感染経路
・ノロウイルスが大量に含まれる患者のふん便や嘔吐物から人の手を介して感染します。
・ノロウイルス感染者が取り扱ったためにノロウイルスに汚染された食品を食べて感染します。
・ノロウイルスに汚染された二枚貝を生あるいは十分に加熱しないで食べて感染します。
・ノロウイルスに汚染された井戸水などを飲んで感染します。

③症状等
・潜伏期間 24~48時間
・主症状 吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱
・症状が1~2日続いた後、治癒し後遺症もありません。
・感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状もあります。
・高齢者や乳幼児では重症となることがあります。

④治療
・ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。
・脱水症状がひどい場合には、点滴を行うなどの対症療法が行なわれます。
・症状がなくなったあとも、1から2週間ほど便中に排出されるため、二次感染に注意が必要です。

感染性胃腸炎警報が発令されました!

感染症発生動向調査において、平成25年第50週(12月9日~12月15日)の県内の患者報告数が国の定める基準値(20)を越えました。

第50週の感染性胃腸炎の患者数は、過去10年で平成18年、24年に次いで3番目に高い水準となっており、学校、保育所、社会福祉施設などにおける集団発生も多数報告されています。

 

感染を予防するには、日頃から手洗い・うがいを徹底し、嘔吐物やふん便を処理する時は、使い捨てのビニール手袋やマスクを用い、汚れた床・用具などは適性な濃度の塩素系消毒剤(塩素系漂白剤でも可)で消毒しましょう。

潜伏期間が24時間~48時間と短いので症状の変化に注意が必要です

抗インフルエンザとインフルエンザワクチンの課題H7N9に備えて

皮膚の学校感染症について・・・プールに入ってもいいの?

1)伝染性膿痂疹(とびひ)
かきむしったところの滲出液、水疱内容などで次々にうつります。プールの水ではうつりませんが、触れることで症状を悪化させたり、ほかの人にうつす恐れがありますので、プールや水泳は治るまで禁止して下さい。

2)伝染性軟属腫(みずいぼ)
プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。

3)頭虱(あたまじらみ)
アタマジラミが感染しても、治療を始めればプールに入っても構いません。ただし、タオル、ヘアブラシ、水泳帽などの貸し借りはやめましょう。

4)疥癬(かいせん)
肌と肌の接触でうつります。ごくまれに衣類、寝床、タオルなどを介してうつることがありますが、プールの水ではうつることはありませんので、治療を始めればプールに入っても構いません。ただし、角化型疥癬の場合は、通常の疥癬と比べ非常に感染力が強いので、外出自体を控える必要があります。

 

平成25年5月
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会

皮膚の学校感染症について・・・

皮膚の学校感染症について・・・プールに入ってもいいの?

1)伝染性膿痂疹(とびひ)
かきむしったところの滲出液、水疱内容などで次々にうつります。プールの水ではうつりませんが、触れることで症状を悪化させたり、ほかの人にうつす恐れがありますので、プールや水泳は治るまで禁止して下さい。

2)伝染性軟属腫(みずいぼ)
プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。

3)頭虱(あたまじらみ)
アタマジラミが感染しても、治療を始めればプールに入っても構いません。ただし、タオル、ヘアブラシ、水泳帽などの貸し借りはやめましょう。

4)疥癬(かいせん)
肌と肌の接触でうつります。ごくまれに衣類、寝床、タオルなどを介してうつることがありますが、プールの水ではうつることはありませんので、治療を始めればプールに入っても構いません。ただし、角化型疥癬の場合は、通常の疥癬と比べ非常に感染力が強いので、外出自体を控える必要があります。

 

平成25年5月
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会

皮膚の学校感染症について②

保育園・幼稚園・学校へ行ってもよいか?休まなければならないか?

1)手足口病
手足の水ぶくれが消えて、口内炎が治っても、便の中には原因のウイルスが長い間出てきます。トイレで用を済ませた後は手洗いをきちんとしましょう。口内の発疹で食事がとりにくい、発熱、体がだるい、下痢、頭痛などの症状がなければ、学校を休む必要はありません。

 

2)伝染性紅斑(りんご病)
顔が赤くなり、腕や膝、体に発疹が出たときには、すでにうつる力が弱まっていることから、発熱、関節痛などの症状がなく、本人が元気であれば、学校わ休む必要はありません。また、いったん消えた発疹は日光に当たったり、興奮したり、入浴後などに再び出てくることがありますが、これらは再発ではあろませんので心配いりません。

3)頭虱(あたまじらみ)
互いに触れ合って遊ぶ機会の多い幼児・小児には最近ではよく発生します。発生した場合はその周辺がみんな一斉に治療を始めることが大切です。頭虱は決して不潔だから感染したのではありません。頭虱だからと差別扱いしてはいけません。学校を休む必要はありませんが、できるだけ早く治療を受けて下さい。

 

 

4)伝染性水属腫(みずいぼ)
幼児・小児によく生じ、放っておいても自然に治ることもありますが、それまでには長期間を要するため、周囲の小児に感染することを考慮して治療します。プールなどの肌の触れ合う場ではタオルや水着、ビート板や浮輪の共用を控えるなどの配慮が必要です。この疾患のために、学校を休む必要はありません。

 

5)伝染性膿痂疹(とびひ)
水ぶくれや糜爛(びらん)からの浸出液を触ったり、引っ掻いたりすると、中の細菌で次々にうつります。特に鼻の入り口には原因の細菌が沢山いるので鼻をいじらないようにしましょう。病変が広範囲の場合や全身症状のある場合は学校を休んでの治療を必要とすることがありますが、病変部を外用処置して、きちんと覆ってあれば、学校を休む必要はありません。

 

平成22年7月
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会・日本皮膚科学会・日本小児感染症学会

嘔吐と下痢と腹痛と漢方薬治療

(五苓散による注腸治療)

①嘔吐・下痢・腹痛を訴える胃腸炎がとても流行しています。

②このような症状の時に五苓散という漢方薬をお湯に溶かしてお尻から注腸して入れてあげますと、症状がとても早く改善します。

③五苓散は本来は胃腸炎の飲み薬として、よく使われますが胃腸炎の症状が強い時にはお尻から注腸して入れてあげますと、内服よりもより速く症状が改善します。

④五苓散の注腸が最も良く効くのは嘔吐です。早ければ注腸して15分後には嘔吐はなくなっています。

⑤五苓散の注腸は胃腸炎に伴う、食欲不振や吐き気・元気のない症状とか顔色不良の症状にもすみやかに改善しますので、お子さんもとても薬な状態になります。

⑥五苓散の注腸はお子さんの胃腸炎による脱水を初期の段階で予防できることが多いのです。

⑦五苓散の注腸を下痢をしているお子さんにしますと、下痢が止まります。
注腸したのにもかかわらず注腸後に下痢が増えることもありませんし、下痢をして注腸した五苓散がお尻から出てくることもないのです。

⑧五苓散は胃腸炎によるお腹の中の水回りのエラーを改善する作用がありますので、内服に比べて注腸でより速く腸の中に入れてあげることで症状がとても良くなるものと考えられます。

⑨五苓散が胃腸炎の時の点滴の代わりや補助になることは充分ありうるでしょう。

知って得する抗ヒスタミン薬の豆知識

知って得する抗ヒスタミン薬の豆知識

NTT東日本関東病院 五十嵐敦之先生講演会

①第二世代の抗ヒスタミン薬は個人差がかなりあります。

 

②このため効果が不十分の時には、抗ヒスタミン剤を二剤に併用するよりも、同じ抗ヒスタミン剤の単独の増量の方が良いことがあります。
例えば一日一回一錠のものは、一日一回二錠に増量することで血中濃度が上がり効果が出ます。

 

③自動車の運転制限がないのは、アレグラ・クラリチンです。

 

④ザジテン・ジルテック(ザイザル)・クラリチンは痙攣の報告があります。

 

⑤アレロック・アレジオン・セルテクトは幼児に使える痙攣のない、抗ヒスタミン薬です。

 

⑥ジルテック・クラリチンは妊婦さんの「蕁麻疹」に使えます。

 

⑦クラリチン・アレグラは授乳しているお母さんにも使えます。

 

⑧高齢者にはアレグラ・アレジオンが使える抗ヒスタミン薬です。

 

⑨呼吸が最も速いのは、アレロック・ザイザルです。

 

⑩腎不全の患者さんには、アレグラ次いでアレジオン・エバステルが使えます。

 

⑪エバステルは頓服として使用するのは不適切です。
エバステルは、かゆい時だけ頓服で内服しても効果がありません。

~じんま疹の考え方~

~東京大学 佐藤伸一先生講演会より~

「慢性じんま疹」

①原因不明が72%あります。

②誘発因子としては
 1)ストレスの多い生活環境は慢性じんま疹を起こしてしまいます。
 2)年齢が下がると上気直感染(カゼ)が増えて急性じんま疹を発症しますが、ヘリコバクターピロリ菌に感染してますと慢性じんま疹につながる可能性があります。感染とじんま疹は関連がみられます。
 3)血液検査自己抗体の一つである甲状腺抗体が陽性のじんま疹の12~33%でみられます。血液検査で白血球が低下していますと「SLE]の可能性があります。
 4)薬剤で起こることがあります。血液検査で好酸球が増加していますと薬剤性のことがあります。

 

③発症年齢が35歳以上であったり、じんま疹の罹病期間が1年以上の慢性じんま疹は予後が良くない傾向になります。罹病期間がながくなればなるほど治るのに時間がかかります。

 

④標準の治療で6ヶ月~1年で40~50%は治ります。2年で60%が治ります。

 

⑤治療は第2世代の新しい抗ヒスタミン剤が適切です。第1世代の古い抗ヒスタミン剤は使用しないことが大切です。

 

⑥飲み薬は最低1ヶ月以上必要です。これでじんま疹の症状が出るなら2~3ヶ月必要です。重症では1年間の内服が必要です。

 

⑦慢性じんま疹では、じんま疹が消失して、すぐに内服を中止してしまうと再発することが多い傾向にあります。じんま疹が消失しましたら例えば1日2回の内服でしたら、これを2週間続けて、その後に1日1回の内服と半分の量に減らして、さらに2週間続けてと少ずつ減量した方が再発率が少なくすみます。

 

⑧第2世代の抗ヒスタミン剤が効果がない時は~
 1)内服の量を2倍に増やしてみると意外に効きます。
 2)胃炎の薬(H2ブロッカー:タガメットやザンタック)を併用して服用すると有効率が増えます。例えばクラリチンという第2世代の抗ヒスタミン剤に胃炎のタガメットというお薬を併用しますと血液中のクラリチンの濃度が上昇して、効果が出やすくなるのです。

 

⑨アスピリン不耐症などの特殊なじんま疹にはロイコトリエン拮抗体(キプレス)が効果があります。

 

⑩ロイコトリエン拮抗体の「アコレート」と第2世代の抗ヒスタミン薬を併用しますと膠原病などの自己抗体関与の慢性じんま疹で効果があります。

 

おう吐と下痢

①おう吐

おう吐が見られる時には、少しずつ水分をとることが大切です。具体的には、スポーツ飲料やりんごの果汁のようなカロリーのあるものが望ましく、水やお茶のようなカロリーのないものは適していません。与え方は、一回量を少なめに、回数を多くするとよいでしょう。

おう吐の回数が6回以上になると、脱水症の心配が出てきますので、点滴治療が必要になります。原因が何であっても、お子さんにとってはおう吐そのものが、かなりのストレスになります。

 

②下痢

下痢が見られる時には、母乳はそのまま継続で構いませんし、ミルクも薄める必要はありません。下痢自体がカロリー不足と水分不足を引き起こすので、母乳もミルクもできればそのまま飲ませましょう。離乳食は、水のような下痢の時はお休みとなりますが、そうでなければカロリーと水分を補う意味で食べさせた方がよいことになります。下痢によって塩分の不足も起こりますので、特に塩分の多いお味噌汁の上澄みやスープを飲ませることで、下痢が早く改善します。

 

母乳やミルクを飲んでいないような幼児では、おかゆが嫌いなお子さんもいます。その場合は先ほどと同様に、普通のごはんを食べてもよいのです。食べないことより、食べてカロリーと水分と塩分をとった方がよいことになります。ただし幼児の場合は、脂っこい食事(ラーメン・焼きそば・カレー・ハンバーグなど)は、下痢の時には消化する力が低下しているので、避けた方がよいでしょう。

 

赤ちゃんや幼児の飲み物として、小さいお子さん用のスポーツ飲料(経口補水液)が、脱水予防に効果があります。経口補水液は、点滴治療に用いられる成分で作られた「飲むタイプの脱水予防治療薬」の働きを担っています。
おう吐がなくて口から水分をとれていても、下痢の回数が多いと脱水症になることがあります。これは仮に、口から100ml分の水分をとれても、同時に200ml分の下痢を起こすと、-100mlのロスということになり、脱水症になるわけです。

小児のαヘルペスウイルス感染症

小児のαヘルペスウイルス感染症

東京慈恵医科大学
本田 まりこ先生講演会より

小児のαヘルペスウイルス感染症には

 

①単純性ヘルペスウイルスⅠ型
口の中の歯肉に口内炎や皮膚に単純性疱疹やカポジ水痘様発疹症などのヘルペスウイルスの感染症を引き起こします。 主に口の中の粘膜と皮膚に発疹ができます。 同じお子さんが頻回に再発を繰り返すものが多いのが特徴です。

 

②単純性ヘルペスウイルスⅡ型 ヘルペスウイルスの感染が外性器に発疹をつくります。 いわゆる性器ヘルペスです。 お子さんでもみられることがありますので、注意が必要です。

 

③水痘帯状ウイルス 多くは水痘(水ぼうそう)としてみられますが、帯状疱疹でみられることもあります。

a:冬に多く夏少ない傾向にあります。

b:水ぼうそうで死亡してしまうお子さんもいます。

c:妊産婦さんが妊娠20週までに水ぼうそうにかかりますと、赤ちゃんは体内で水痘帯状ウイルスに感染してしまうため、生後は水ぼうそうに感染せず帯状疱疹になります。   

妊産婦さんが水ぼうそうにかかったら、ゾビラックスという水痘のお薬を飲んで赤ちゃんを守ることが重要です。

 

 ゾビラックスは妊産婦さんでの安全性は確率しています。

 

d:1才未満で水ぼうそうにかかりますと、そのお子さんは1才過ぎに帯状疱疹になることが多い傾向にあります。 e:水痘ワクチンは帯状疱疹を50%くらい予防することができます。

f:水痘ワクチンを接種したお子さんが水痘にかかるのは20%くらいです。
  水痘ワクチンを接種してお子さんを守りましょう。

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