ぜんそく
①感染症がある場合
前述したとおりですが、溶連菌感染症やインフルエンザの感染やマイコプラズマの感染を合併している時にはこれらの病気の治療を同時に必要とします。
発作が多い時にはこれらの感染症の合併がないか考えましょう。
②慢性副鼻腔炎(ちくのう症)がある場合
ちくのう症があるとぜんそく発作はよくなりません。
ちくのう症合併例ではちくのう症の治療をすると劇的にぜんそく発作がよくなります。
ぜんそくのお子さんは鼻の病気の合併症が多いので注意が必要です。
いびきをかくとか鼻がよく出ているケースは、ちくのう症の合併がないか考えましょう。
③胃食道逆流症(GERD)がある場合
口から食べた食物は食道を通って胃に到達します。
この流れは一方通行になっているのが普通のお子さんなのですが、まれにこの一方通行がうまくいかず、胃に入った食物が食道を通り、逆流して気管支に入り込んでぜんそくのような咳になることがあります。
このケースでは、胃食道逆流症の治療をしないと咳は改善しませんし、ぜんそくの治療は効きません。
④ストレスがある場合
ぜんそくの治療をしていて、感染症もちくのう症もなく、胃食道逆流症もない場合は、お子さんに何らかのストレスがかかっているのが原因のケースに考えられます。
本人が嫌がっていることがないか確認が必要です。
あるぜんそくの女の子は小学6年生でしたが、ぜんそくが良くならないと言って来院されました。ぜんそくの治療を開始して合併症の確認をしても原因は見当たらず、ぜんそくが良くなりません。
ある時、女の子と私だけで二人で話をしてみました。
するとその女の子はピアノの習い事をしているのがとても嫌だけれども、お母さんに言えないと訴えました。
というわけで、お母さんにその内容を伝え、ピアノの習い事を止めてもらうと途端にぜんそくの症状は消えました。
もちろんぜんそくのお薬も必要なくなりました。年齢の大きな小学生ではストレスに関する治療も必要です。しょう。
⑤アレルギー性鼻炎がある場合
ぜんそくのお子さんにはアレルギー性鼻炎の合併が多くみられます。
お母さん方は「この子は鼻水が出始めるとぜんそくがでるわ」とよく言われます。
ぜんそくのお子さんは鼻炎の症状が先に出て後からぜんそくが出ることが多いのです。
アレルギー性鼻炎がある場合はアレルギー性鼻炎の治療を同時にするとぜんそくがよくなります。
⑥アトピー咳嗽
ぜんそくの症状によく似ていますが、ぜんそくのお薬は全く効きません。
ぜんそくには使用されないアレルギーのお薬が著効します。
⑦お天気
寝不足、お疲れ(お出かけ、旅行、車での長時間の移動)などがあるとぜんそく発作がおきます。
子供も大人と一緒でお疲れは禁物です。移動が長い時にはまめに休憩をとりましょう。無理なスケジュールは避けましょう。
⑧お疲れ
寝不足、お疲れ(お出かけ、旅行、車での長時間の移動)などがあるとぜんそく発作がおきます。
子供も大人と一緒でお疲れは禁物です。移動が長い時にはまめに休憩をとりましょう。無理なスケジュールは避けましょう。
⑨運動
運動するとぜんそくが出るお子さんがいます。
運動誘発性ぜんそくといって、運動すると肺と気管支に負担をかけぜんそく症状が出るものです。
ぜんそくの治療をしていても運動で発作が出る場合は一時的に運動を軽めに制限しないといけないケースがあります。
多くは年長児に見られます。
⑩喫煙
家族の方の喫煙はぜんそくの原因となります。
お子さんの近くと過ごされる部屋での喫煙はさけましょう。
⑪けむり
香水や花火のけむり、線香のけむりも発作をおこすことがあるのでさけましょう。
⑫ダニ対策
ソファーやカーテン、たたみやじゅうたんは、掃除機でダニを吸い出しましょう。ダニ対策のためにはふとんも、まめに日光にあてて干しましょう。