アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎の症例はこちら

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アレルギー性鼻炎のこどもに併発することが多い病気です。
目の白いところが赤く充血して眼球をこすってかゆがります。

眼球はこするとその表面に傷がつきやすいので、早めにお薬を使ってこするのを防ぐことが重要です。通常は目やには出ません。

目やにが出るときは細菌性の結膜炎の合併を考える必要があります。

幼稚園や小学生の女の子で、猫にさわられた後にアレルギー性結膜炎がでることが多く見られます。


おそらくは、猫アレルギーでひきおこされたアレルギー性結膜炎だと思います。


治療は点眼薬が主体ですが、目のかゆみが強いケースではかゆみ止めの、のみ薬が有効です。

『アレルギー性結膜疾患の予防と治療』

『アレルギー性結膜疾患の予防と治療』

      両国眼科クリニック 深川和己先生講演会

アレルギー性結膜疾患の有病率は48%です。

花粉症のセルフケア

A:抗原回避の方法

1)メガネ

花粉をカットする花粉防止めがね

花粉カット:ジーンズというメーカーのものは92%の花粉飛入抑制効果がありました。

普通のメガネはひさしのある帽子を被れば80%くらいの花粉飛入抑制効果がありました。

眼にもマスクが大切です。

眼の中に花粉(抗原)を入れないことが大切です。

これは、スギ花粉眼瞼炎にも有効です。花粉防止めがねで、眼にもマスクをつけましょう。

 

2)洗眼

カップ式の洗眼液には防腐剤が入っているので結膜を刺激してしまうことがあり、洗眼には向いていません。

カップ式の洗眼液で洗眼すると目の周りに付いた花粉が眼の中に入ってしまうため向いていません。

水道水で洗眼している人も多くいますがこれは粘膜を刺激するので向いていません。

眼の中だけ洗眼するのが良いでしょう。

ウェルウォッシュアイという人工涙液で4~5滴で洗眼するとスギの花粉は殆ど落ちます。

スギ花粉からの抗原溶出もウェルウォッシュアイが抑えます。

眼の炎症は冷やすと良いのでウェルウォッシュアイを冷蔵庫に入れておくとよいでしょう。

 

3)点眼薬

生活の支障度が高いのは眼のかゆみです。

アレジオン点眼薬は早く長く眼のかゆみに効きます。

点眼薬の60%に使用されている防腐剤(BAK)は角膜上皮が障害を受けることがあり、ソフトコンタクトレンズを付けた方はBAKの点眼薬をするとソフトコンタクトレンズにBAKが付着してソフトコンタクトレンズが壊れてしまうことがあります。

BAK含有の点眼薬は結膜の障害を起こします。

BAKフリーのアレジオン点眼薬は細胞障害性が低いのです。

BAKフリーのアレジオン点眼薬はコンタクトレンズの上から使用しても問題はありません。

 

4)コンタクトレンズを使用しているアレルギー性結膜炎の患者さん

①外を歩くときは花粉防止メガネ

②コンタクトレンズの上からさせる目薬(BAKフリー:アレジオン点眼薬) 

③痛みのある時はコンタクトをお休みしましょう。

 

5)初制療法

花粉飛散予測日の約2週間前、もしくは症状が少しでもあらわれたら、抗アレルギーの点眼薬を開始する治療法です。

スギやヒノキの花粉に対して有効です。

初期療法の利点は、

①アレルギー性結膜疾患の発症を遅らせることが出来ます。

②アレルギー性結膜疾患の症状を軽減することが出来ます。

③ステロイドの点眼薬の使用を減少することが出来ます。

(3~9才はSteroid Responderの発生頻度が高い!

ステロイド点眼薬による眼圧上昇に注意が必要です。)

④アレジオン点眼薬はパタノール点眼薬に比べて初期療法の効果が高いです。

アレジオン点眼薬は「かゆみスイッチを減らす」お薬なので、眼がかゆくない時にも点眼しておくと良いでしょう。

 

 

 

「舌下免疫療法」(スギ花粉症最新治療)

「舌下免疫療法」(スギ花粉症最新治療)

日本医科大学 耳鼻科 大久保公裕先生 講演会

①舌下免疫療法の治療薬である「シダトレン」による「口腔内の腫脹」は、舌下してから2時間で消えます。

 

②舌下免疫療法中、体調の良くない時に「じんましん」が出ることが多い傾向がみられます。

 

③舌下免疫療法中、誤って多く飲んだ場合は、直ちに吐き出し、うがいをします。そして翌日は、あらためて前日の量を服用します。

 

④舌下免疫療法中、誤って服用を忘れた場合は、前の日の量を服用します。

 

⑤舌下免疫療法中、長期休薬した場合の、初回の投与(1ml)は改めてクリニックで医師が行ないます。

 

⑥舌下免疫療法中、持続する湿疹が出る場合は、「シダトレン」を中止します。この時の湿疹は治りにくい特徴があります。これに比べて、口腔内の副作用はすぐに消えます。

 

⑦「シダトレン」投与の時には「空らうち」を一回してから本番の「うち」をして下さい。

 

⑧舌下免疫療法中、スギ花粉症飛散時には、抗ヒスタミン剤の併用を考えますが、全身性ステロイドの投与をするケースは「シダトレン」の治療の対象にはなりません。

 

⑨舌下免疫療法は12月中旬くらいまでに始めるのがよいでしょう。(スギ花粉飛散時には治療開始はできません)

 

⑩舌下免疫療法開始後、IgEが増加しますので、スギ花粉症時には、スギ花粉症の症状が悪化する可能性があります。スギ花粉症の舌下免疫療法の効果が出るまで8週間かかります。

 

⑪舌下免疫療法は7~8月からの開始が良いでしょう。

 

⑫舌下免疫療法は気管支喘息の場合、吸入ステロイド薬はそのまま併用してよいでしょう。気管支喘息の場合、経口ステロイド薬を使っていない人が舌下免疫療法の良い適応です。

 

⑬「シダトレン」は本来、スギ単独(+)の花粉症が良いですが、複数抗原(スギ花粉以外)(+)のスギ花粉症でも良いでしょう。

⑭舌下免疫療法は継続期で1週間あいてしまった場合は、始めたばかりの時期でしたら初期に戻してから再開しますが、かなりたってからの時期では元に戻らず同じ量で再開します。

 

⑮舌下免疫療法中、口内炎が出来ましたらデキサルチン軟膏を併用しながら「シダトレン」を継続します。

 

⑯口腔底が腫れてかゆい時は、休薬して抗ヒスタミン剤を1週間のんで口腔底の腫れがとれるのを確認してから「シダトレン」を再開します。口腔の腫れを気にして抗ヒスタミン剤を使い続けながら「シダトレン」を使うことはありません。

 

⑰「シダトレン」治療中のインフルエンザの注射は問題ありません。

 

⑱「シダトレン」は1億回に1回の少ない割合でアナフィラキシーがおこることがありますが、とても少ない頻度です。

 

⑲「シダトレン」開始後の初回の花粉症の時期に以前と比べて症状が改善していれば、効果ありと考えて良いでしょう。

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