小児の漢方療法(漢方薬のご紹介)

麻黄湯(マオウトウ)

写真

インフルエンザなどの感染症で急激な発熱や、寒気がある時に飲むと効果があります。

発汗を促進して解熱させるお薬なので、発熱の初期に飲みますと、1~2時間後に汗をたくさんかいて熱が下がります。

麦門冬湯(バクモンドウトウ)

写真

・主に症状の改善の難しいタイプの「ぜん息」や「咳ぜん息」に飲んで頂くと効果があります。

飲み始めの早い段階から咳の症状が著明に改善します。

・ぜん息の飲むお薬(ロイコトリエン拮抗薬:キプレスやオノンetc)や吸入ステロイド薬を併用すると効果があります。

・乾いた咳のぜん息のお子さんに適しています。

五苓散(ゴレイサン)

写真

・下痢や嘔吐の胃腸炎の時に飲んで頂くと効果があります。特に嘔吐の多い胃腸炎では良く効きます。
胃腸炎で喉の渇きがあるお子さんに良く効きます。

・細菌性の胃腸炎では、胃腸炎の抗生剤と併用して飲んで頂くと効果があります。

・おしっこが近い頻尿や夜尿のお子さんに効果があります。

・なかなか治りにくい慢性頭痛のお子さんに効くことがあります。

甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)

写真

・夜泣きの赤ちゃんや小さいお子さんに良く効きます。
甘いお薬なので小さいお子さんでも飲めます。

・寝つきの悪いお子さんや睡眠のリズムが少しズレてしまっているお子さんにも効果があります。

・落ち着きのないお子さんにも効果があります。

・このお薬で症状の改善の少ないお子さんは、次の抑肝散(ヨクカンサン)が効果があります。

抑肝散(ヨクカンサン)

写真

・夜泣きのひどいお子さん(例えば甘麦大棗が効かないタイプのお子さん)に良く効きます。

・落ち着きのないお子さんに効果があります。

・夜よく寝つけないなどの睡眠のリズムが乱れたお子さんに効果があります。

夜寝るのが遅いお子さんは興奮していることが多いので、このお薬で興奮をしずめてあげると、睡眠の質が改善します。

お子さんは早寝・早起きがベストな睡眠リズムです。

・オシッコが、やたら多いお子さんも効果があります。

(例えば一時間に6回くらいオシッコに行く、今オシッコをしたばかりなのに、またすぐにオシッコに行く)などのお子さんに効果があります。

・難治性のじんま疹に効果があることがあります。
通常の難治性じんま疹のお薬で効果がないお子さんに使用すると効果が出ます。

この場合、通常の難治性じんま疹の飲み薬に追加すると効果が良い印象をうけます。

・かんが強すぎて、お母さんの言うことを聞けないお子さんや反抗ばかりしてしまうお子さんにも良いで
しょう。

黄耆健中湯(オウギケンチュウトウ)

写真

・水イボを繰り返しているお子さんに飲んでいただくと水イボの増えるのが止まります。
水イボの数がやたら多いお子さんにも効果があります。

薬で水イボが増えるのを抑えておいて、今ある水イボを摘除して取り去るのが良いようです。

・円形脱毛症のお子さんに著明に効く場合があります。

このお薬が効くタイプおお子さんは、飲み始めの比較的早い時期(2週間目くらい)から改善がみられますが、長めに服用します。

この場合も外用薬の併用も必要です。

・アトピー性皮膚炎で効果があるお子さんもいます。
・アレルギー性鼻炎に効果があります。

大建中湯(ダイケンチュウトウ)

写真

・便秘のお子さんに効果があります。
特に「裂肛」(レッコウ)と言って肛門のところに放射状の亀裂が出来るタイプの便秘は重いことが多いので服用してみるとよいでしょう。

・通常の便秘のお薬と併用しても大丈夫です。

・おしりのところに出来る突起物で「見張りダコ」というものがみられることがありますが、この場合も便秘があるといきんでしまい「見張りダコ」がかぶれたり傷ついたりするので、その予防に効果があります。

十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)

写真

・赤ちゃんのおしりの周囲に出来る「肛門周囲膿瘍」というオデキのようなものがありますが、この場合に服用すると改善します。

 

「肛門周囲膿瘍」は再発を繰り返しますと、症状によっては手術が必要になります。早めにこの薬を服用して治すことが大切です。

小建中湯(ショウケンチュウトウ)

写真

・もともと体の弱い、虚弱体質のお子さんに効果があります。

・よく「お腹が痛い…」と頻繁に訴えるお子さんのお腹の痛みを改善します。

・体重の増えが良くないお子さんの体重を増やす効果があります。

・食が細いお子さんの食欲を増進させる効果があります。

2/212

grass

grass