小児の漢方療法(漢方薬のご紹介)

石川院長監修 『子どもの心とからだ 漢方で すこやか元気に』

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『子どもの心とからだ 漢方で すこやか元気に』
石川院長監修のお子様とお母様向けの小児漢方薬の
冊子が出来ました。
監 修 :石川功治(たんぽぽこどもクリニック院長)
イラスト:沢田真理(絵本イラストレーター 日本児童出版美術家連盟会員)

全国のクリニック・病院へ配布されております。(一部医療機関を除く)

最近のお子さんの病気の症状は、多様化し複雑化しています。
今までのお薬では対応出来ないケースもみられています。

このような時には、漢方薬が意外に効果を発揮することがあります。
漢方薬も最近のものは、以前のものに比べて飲みやすくなっています。
 

 

 

ツムラ黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)

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①繰り返す口内炎やヘルペスにとてもよく効きます。
症状の出始めから口内炎やヘルペスのお薬と併用して内服していただきますと、軽くすみます。

②帯状疱疹で難治例によく効きます。
通常の治療で改善しない難治性の帯状疱疹に効果があります。もちろん帯状疱疹のお薬と併用で始めから内服しても大丈夫です。

ツムラ真武湯(シンブトウ) 

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お子さんの「しもやけ」によく効きます。
「しもやけ」は冷えに伴なっておこる血流障害ですので、このお薬で体を温めてあげまると血流障害が改善して良くなります。

神秘湯(シンピトウ)

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お子さんの「ぜん息」に良く効きます。特に「ぜん息発作」がひどい状態や「ぜん息発作」が少し改善した状態のどちらにも効果があります。

「ぜん息」のお子さんは、精神的にもデリケートで、ぜん息発作を起こしますと元気がなくなる傾向がありますが、このお薬はその部分を補って元気を出してくれる効果ももっています。

六君子湯(リックンシトウ)

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食欲や元気が何となく無い状態のお子さんに内服していただくと症状がとても良くなります。

 

お腹の調子がすぐれず、精神的にも気力が不足しているお子さんに適している漢方薬です。

芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)

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お子さんで下肢の震えがみられることがありますが、これは下肢の筋肉の痙攣のことがあります。

 


この状態を「ムズムズ病」や「レストレス症候群」といいます。


下肢の震えや痛み・ムズムズ感・違和感の症状が出まして、お子さんはとても気になります。


このような時に芍薬甘草湯を飲んでいただきますと、この薬の中に筋肉の痙攣を抑える成分が入っていますので劇的に効果があります。

治頭瘡一方(ヂヅソウイッポウ)

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お子さんで体の中で部分的に痛みが強い場合に、その痛みを改善するのにとても効果があります。

例えば自転車に乗っていて転んで怪我をした場合に、骨折はないけれども腕に部分的に腫れや痛みや圧痛が強い時には痛みを改善する薬として良く効きます。

リンパ節炎でリンパ節が腫れてとても痛くて圧痛強い時も同時に良く効きます。

頭痛にも効果があります。腫れた事による痛み(腫通)にとても良く効くお薬です。

越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)

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お子さんのアレルギー性鼻炎(花粉症)で、すでにお薬を飲んでいるにもかかわらず鼻づまりの症状が強くて夜眠れないお子さんに内服していただくと、とても良く効きます。

もちろんお母さん方で同様の症状の方にも良く効きます。

鼻づまりがひどいアレルギー性鼻炎(花粉症)では、鼻の中の粘膜の腫れがとても強いので、この腫れを改善する成分が越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)に入っていますので効果があるのです。

猪苓湯(チョレイトウ)

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下痢がひどい胃腸炎や出血を伴なった下痢に効果があります。

お腹の中の出血を止めて、下痢も改善させる働きがあります。

食中毒などの重症の胃腸炎にも効果があります。

胃腸炎の抗生剤と併用しますとより一層効果があります。

半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)

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下痢や悪心(吐き気)や嘔吐が強くみられる時に内服すると症状が改善します。
みぞおちの不快感がある下痢にも効果があります。

排膿散及湯(ハイノウサンキュウトウ)

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皮膚に膿みがたまっている時に飲むと、皮膚の膿みの排出が促進されて皮膚の改善が良くなります。

何らかの細菌が皮膚に入って赤みのある膿みにはよく効きます。

膿みの排出を促進しますので、扁桃炎で扁桃腺に膿みがたくさんある場合にも効果があります。

白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)

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白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)
お子さんの皮膚に強い発赤がみられた場合にとても効果があります。

 

例えば、
①赤ちゃんで顔や眼の周囲の発赤が強いアトピー性皮膚炎のお子さんに大変効果があります。

②ツムラ消風散(22)を飲まれても改善しない皮ふの発赤にはこのお薬が効きます。

③皮ふに発赤が強くみられますと、お子さんはその部分がとてもかゆくなり、結果として皮ふのかきこわしが起こってしまいお肌がなかなかよくなりません。

荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)

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お子さんのお肌に発赤や傷、膿みがみられる時にそれらを改善するのによく効きます。

例えば

①アトピー性皮ふ炎でお肌に発赤が見られていて、ひっかき傷がひどく膿みを伴った「とびひ」を合併しているお子さんがこのお薬を飲みますと、お肌がとてもよくなります。
特に顔のひどい重症のアトピー性皮ふ炎で効果があります。

②副鼻腔炎(ちくのう症)が治りにくいタイプのお子さんにとても効果があります。
副鼻腔炎では、鼻の中の排膿と粘膜組織の修復が重要ですが、このお薬はその働きを担っています。
鼻水が治りにくく、鼻粘膜に膿みがついているような鼻炎にも効果的があります。

消風散(ショウフウサン)

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お子さんの肌の発赤を改善して、お肌の傷や乾燥状態を改善する効果があります。

例えば、
①アトピー性皮膚炎で赤みの強い発疹と乾燥した発疹とかきこわれの傷の発疹がみられる場合によく効きます。
②じんま疹や多型滲出性紅斑(特殊なじんま疹)で、お肌の発赤が強いお子さんに非常に効果があります。

小柴胡湯(ショウサイコトウ)

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「過換気症候群で胸が苦しく息ができない時」や、「喉のつかえ感が取れなくて気になる」など、胸の自覚症状が強いお子さんに効果があるお薬です。

胸の様々な症状は、一種のストレスから症状を訴えていることが多く、元気がなく少し落ち込んでいる状態の時に出やすい傾向があります。
お薬でお子さんの心の負担を早く楽にしてあげることが大切です。

四物湯(シモツトウ)

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当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)より効果を高めたお薬です。
肌の乾燥や重症のアトピー性皮ふ炎に効果があります。

肌に潤いをもたらす効果が優れていて、乾燥が強いタイプのお子さんに適しています。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

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体やお腹の中など、部分的に血流の良くない状態のお子さんに効果があります。

例えば、元気はあるけど何となくお腹が痛い、体調が良くない時に歯ぐきが腫れる、足が冷たいなどの症状のお子さんに効果的です。

お腹の痛みの特徴として、おへその上や下側、斜め下側を痛がったり不快感があったりします。

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)

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「爪が割れやすい」「皮ふがカサカサと乾燥しやすい」「しもやけ」といった、指先や爪の血行が不十分なときに飲んでいただくと効果があります。
体の末端はもともと血流があまり良くない所ですが、最近のお子さんはこの部分の血流がさらに不十分となっているために、爪や皮ふの症状が出るのです。
これらの症状はぬり薬だけでは改善しませんので、内服薬がおススメです。

 

アトピー性皮ふ炎のお子さんに飲んでいただきますと、何より皮ふにうるおいが出て、改善がみられます。
また、頭皮の血流が不十分なタイプの円形脱毛症にも効果があります。

麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)

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ぜんそくの症状が重く(咳がひどい、咳込んで嘔吐する、呼吸困難があるなど)気管支が腫れている時に、この腫れをとるお薬です。
お子さんのぜんそく発作が急速に重くなった時に飲むと効果があります。

特に点滴治療が必要になるような重症のときに飲んでいただくと、症状が速く改善します。
このお薬は、短期に5~7日程併用するだけで大丈夫です。

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